三輪車
少し大きくなってから、そう、小学校高学年の頃、幼い従兄弟の三輪車に
「お! ひさしぶり」
と、またがってこいでみたことがある。
― あれ? 変だな。
と戸惑うくらい、思うようにこげなくて、驚いたおぼえがある。
何とか前に進むことができたとき、とても力が要って、こんなに重かったかなと首をかしげた。
よくよく考えてみれば、
・車輪が小さい。
効率が悪いわけだ。
・ペダルの長さと車輪の半径にそれほど差はないが、ペダルが当然短い。
じかに車輪を回す以上の力が要るわけだ。
・チェーンがない。
それなりのペースで進むには、ペダルを猛烈な速さで踏む必要があるわけだ。
こんなものを、ぐいぐいこぎながら、暴走していたとは。
子供の脚力はあなどれない。
そういえば、山に登ったりすると、大人顔負け・・・というよりも、大人をはるかにしのぐペースで山を駆け上る子供をみかけることがある。大人が肩で息をしているのに、彼らは、大きな声で叫びあいながら、はしゃぎながら山を駆け上っているのである。
そんな子供は、まず、幼稚園くらいかせいぜい小学校低学年だ。
高学年や中学生になると
「しんどい」「たるい」「つかれた」
という顔をして、たるそうに登ってくる。
この急激な体力の衰えは、なんなのだろうか。
走るのが当たり前で(歩くほうが難しい)、走っても走ってもばてない、息が上がらない。
ああ、その体力を分けてくれぇ!
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