2007年12月17日
自然の風合い
19世紀以降、欧州の楽器は「ピアノのような」均一な音色と安定した音量、フレージングの追求を行ってきました。楽器の「改良」と奏法の研究。
古楽器を見直そうとする人たちの志向のひとつに、その流れに対するアンチ・テーゼのようなところもあると思います。自然な揺らぎを手に入れなおしたい、ということかもしれません。
先日のTVでデニム生地メーカーを取材していました。
異なった糸の配合による「むら」や、異なった色に染める工程をはさむことによる「色あいの奥行き」を追求しています。
「技術が未熟だった時代の『むら』を意図的に作り出している」
のだそうです。
精妙な技術と、細心の計算による不均一の再現。
意図的、人工的なものであっても、自然の『むら』に近づこうとする志向は、昔からあったような気がします。たとえば、実に様々な色の名前。あるいは、かすりや霜降りなどの生地。あるいは、『襲ね』の色目・・・
今は、『霜降り』というと肉を思い浮かべる人が多いだろうけれど、いろいろな色の糸を織り交ぜて、遠くから見るとなんともいえない中間色、近くで見ると鮮やかな色の折柄、そんな生地です。
私の通っていた高校は、春と秋には当時としては珍しい「霜降り」の、遠くから見るとグレーの詰襟でした。なんとも風情のある生地でした。
いろいろな色の漆を塗り重ねて磨き上げると、自然な色むらが照り輝いて美しい面が出てくる、そういう漆器の技法もあります。
そんな漆器の味わいや、精妙な蒔絵のような絵をパステルで描きたいと、ずっと描きつづけてきたのです。
いつ、そこに届くかな。
古楽器を見直そうとする人たちの志向のひとつに、その流れに対するアンチ・テーゼのようなところもあると思います。自然な揺らぎを手に入れなおしたい、ということかもしれません。
先日のTVでデニム生地メーカーを取材していました。
異なった糸の配合による「むら」や、異なった色に染める工程をはさむことによる「色あいの奥行き」を追求しています。
「技術が未熟だった時代の『むら』を意図的に作り出している」
のだそうです。
精妙な技術と、細心の計算による不均一の再現。
意図的、人工的なものであっても、自然の『むら』に近づこうとする志向は、昔からあったような気がします。たとえば、実に様々な色の名前。あるいは、かすりや霜降りなどの生地。あるいは、『襲ね』の色目・・・
今は、『霜降り』というと肉を思い浮かべる人が多いだろうけれど、いろいろな色の糸を織り交ぜて、遠くから見るとなんともいえない中間色、近くで見ると鮮やかな色の折柄、そんな生地です。
私の通っていた高校は、春と秋には当時としては珍しい「霜降り」の、遠くから見るとグレーの詰襟でした。なんとも風情のある生地でした。
いろいろな色の漆を塗り重ねて磨き上げると、自然な色むらが照り輝いて美しい面が出てくる、そういう漆器の技法もあります。
そんな漆器の味わいや、精妙な蒔絵のような絵をパステルで描きたいと、ずっと描きつづけてきたのです。
いつ、そこに届くかな。
Posted by 冬野由記 at 22:02│Comments(0)
│徒然なるままに