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冬野由記
冬野由記
標高と緯度の高いところを志向する癖があります。そんなわけで、北国でのアウトドアや旅が好きになってしまいました。
旅の印象を絵にしたり、興が乗れば旅に携帯した笛を吹いたりすることもあります。

2008年06月23日

数字の罠:たとえば食料自給率

 気がついたら10日ほどもご無沙汰していました。
 最近は、帰宅後に夕食を済ませて一息入れたら就寝、というようなパターンになっていて、夜のネット遊びがおろそかに??なっているのです。

 最近良く耳にする数字。
「日本の食料自給率が40%を切っている」
 のだそうです。

 日本の食料自給率が、ほぼ100%だった頃があります。
 第二次世界大戦をはさんだ前後、昭和の初期ですね。
 昭和の初期には、たしか東北地方では大飢饉があって、娘の人身売買を行政(役場)が斡旋するというほど酷い状況だったという記録に触れたことがあります。自給率100%とは言っても、酷い食糧事情であったわけです。

 こんな極端な例を引き合いに出して「だから40%でもいいのだ」と言うつもりはありません。
 ただ、40%という数字にばかり目を向けていると、何かかえって危ういような気がするのです。

 たとえば、最近、行政からこんな文章が回ってきました。
 『お米の生産調整にご協力を』
 『わが県は(生産調整の)ノルマの達成率が全国的にも低いので率先して・・・』
 『今年も作柄がよさそうなので、このままだと・・・』

 お米が余って、国が困っているというのです。最近はあまり報道で採りあげられることもありませんが『減反』は、今も推進されています。自給率40%、つまり海外から60%の食料(原料も含めて)を輸入する一方で、お米をはじめとして余って困っている国内産の食料も少なくありません。最近話題になったバター不足の裏にも、畜産家に対する国の政策(『付加価値の高い』食品の生産を奨励する一方で、そうでないものを抑制しようとする)に現場が振り回されているという側面があるように感じます。

 我が家を含めて、身の周りの『食』の情況をみてみると・・・・
 たとえば、いまやたいていの家庭が○○ヒカリとか○○ニシキとか○○コマチといったブランド米を購入していますね。普通のお米は売れていないのです。野菜や果物も、ある種の『贅沢』な志向をもって選別していることを、多くの人は否定できないでしょう。
 「安いものを買うように心がけている」
 と言っても、それは「安い牛肉」や「安い海老」を求めているのであって、肉料理の数を減らそうとか、日々の献立をシンプルにしてしまおうとか、あるいは非ブランド米に切り替えようとか、ふだんの野菜は地元産のものだけですませようとか、そこまで節約しているわけではありませんよね。季節の野菜中心の一汁一菜で済ませている、という家庭は、まだまだ少数派だと思います。

 つまり、40%・・・その裏の60%の中身は、ある程度の贅沢や志向にあわせた選別から生ずる輸入が、かなりの割合を占めているのではないか、ということです。
 「40%!」と叫んで、食料政策を云々するのも間違いではありません(国の農業や畜産に対する政策はほぼ一貫してうまくいっていないように思います)が、一市民としては、まず、私たちの食生活を見直すところから始めたいなあ、と思う、今日この頃なのです。

 と言いつつ・・・○○コマチを注文してしまうわが身が、ちょっと悲しい。

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Posted by 冬野由記 at 06:31│Comments(4)徒然なるままに
この記事へのコメント
こんにちは。
お任せ下さい! 私がお米を買うときは、近所のディスカウントショップで、「国内産らしいけど、銘柄は不明」な一番安いお米を買っています。
こんなヤツもいたりします。
いや、正直あまり違いが分からないので。

いつだったか、とれすぎた農産物を、価格が暴落するからと大量に処分している、というニュースを見たことがあります。
農業政策や、価格云々についてはよく分かりませんが、食糧自給率の低いこの国でよくこんなことができるものだととにかく不思議だったのを覚えています。
あと、単純にモッタイナイな、と。
たしか、おいしそうなニンジンでした。
Posted by 白湯 at 2008年06月23日 08:24
白湯様

 ご無沙汰しております。
 コメントありがとうございます。
 非ブランドのお米も利用されているのですね。
 そういえば、お米も、日本は輸入ノルマがあるそうです。
 お米が余っている+自給率を問題視している中で、お米の輸入ノルマがある、というのはなんともやりきれないです。お米もまた古古米になると・・・・
 豊作になって価格が暴落する農作物の大量廃棄は、報道されるたびに胸が痛みますね。たしかに、単純に言って、おおいにもったいないです。単純な感性というのが、案外正しい場合がありますよね。
 考えて考えて演繹的にたどり着いた仮説よりも、ぱっと全体像がひらめいた仮説のほうが正しいと、恩師がそのまた恩師の言葉として教えてくれたことがあります。

冬野
Posted by 冬野由記 at 2008年06月24日 06:05
冬野様

日本人はほんとうに贅沢になってしまいましたね。テレビではグルメ番組をよくやっているようですが、日本本来の食を見直すような番組をやってほしいと思います。

G8サミットの影響もあるようで環境、環境と騒がれていますが、環境問題と密接に繋がっている食の問題が置き去りにされているように思います。
Posted by 松田まゆみ at 2008年06月27日 09:40
松田様

 ご無沙汰しております。
 「いい店」として、食に対する様々なポリシーをもったお店を紹介するというのもいいですね。安いとか美味しいとかだけでなく。そういう番組をあえて作って何らかの啓蒙効果をはかるのも、メディアのつとめであるはずですね。

冬野
Posted by 冬野由記 at 2008年06月28日 02:10
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数字の罠:たとえば食料自給率
    コメント(4)